薬をいくつ飲んでいますか?薬と副作用のお話

「薬漬けの医療」という言葉をよく耳にしますが、医師や薬品会社の問題と同時に、患者側が「薬の処方を希望する」ということも理由の一つにあります。

 

お年寄りなどからよく聞く言葉が、「薬を出してくれる先生=良い先生」です。患者側の希望と、次々に出てくる訴えに対して、「少しでも辛い症状を和らげてあげたい」という医師の思いが重なり、痛み止めにはじまり、結果、たくさんの薬が処方されるということになっているという現実があります。

 

お年寄りがたくさんの薬を飲んでいて、驚いたということはありませんか?

 

その最大の要因は痛み止めにあります。

 

老化の初期症状には、筋力低下が起こります。筋が疲労しやすく、その部位に血流障害が起こります。この血流障害は、骨や関節の変形を起こします。同時に、血流が回復する時に痛みが発生します。この痛みは「治癒反応」なのですが、「痛み」=悪者とされ、痛み止めが処方されてしまうのです。

 

痛み止めは、一時的に痛みを止めますが、交感神経の緊張状態を作ります。痛み止めを飲み続け、交感神経の緊張状態が続くと、様々な症状が引き起こされます。

 

・頻脈

・高血圧

・抹消の血流循環が悪くなる(手足の冷え)

・顆粒球が増える

・胃などの粘膜が破壊される

・関節や骨の変形

・尿量低下

・腎障害

・白内障

・不眠

・疲れやすい

・食欲不振

・便秘

・口の渇き

・動脈硬化

・狭心症

・心筋梗塞

・脳血管障害

・がん

・多臓器不全

など

 

身体の内部では、自律神経の「交感神経が優位」の状態となりますので、眠れないといった症状が出てくる場合もあります。すると、今度は、睡眠薬が処方されます…というように、出てくる症状に対して、薬が処方されるのです。

 

痛み止めと一緒に、降圧剤、循環改善剤、睡眠薬、下剤、胃薬などが処方されているのはそのためです。

 

原因がわからないのに、「取りあえず、痛み止めを出しておきます。」「取りあえず、抗生物質を出しておきます。という言葉、何度か耳にしたことはありませんか?

 

薬が必要ではない時に、「薬は必要ないよ」ときちんと言ってくれる先生が、素晴らしい先生なのだと思います。

 

アメリカの医師用教科書「ドクターズルール425」にはこう記されています。

 

・可能ならすべての薬を中止せよ。不可能なら、できるだけ多くの薬を中止せよ。

 

・薬の数が増えれば副作用の可能性はネズミ算的に増える。

 

・四種類以上の薬を飲んでいる患者は医学知識の及ばぬ危険な領域にいる。

 

・高齢者のほとんどは薬を中止すると体調がよくなる。

 

症状を緩和するために飲んでいるはずの薬が、新たな症状を生み出していることが多いということを理解し、薬は「本当に必要な時に必要なものだけ」を飲む。

 

そして、薬を服用する際は、一週間、一か月と経過をみて、治らないようなら、服用している薬を見直すことや、この治療法でよいのだろうか?と疑問を持つ「感性」を養うことも大切だと思います。 

 

 

 

 

 

 

参考文献:安保 徹著 「医療が病をつくる」