✵自律神経系からみた病気からの回復

✷これまで、病気の発症メカニズムについてお話してきましたが、(過去記事はこちらから)病気の発症の原因がわかると、治療への道は見えてきます。

 

病気の多くは、ストレスによる交感神経の緊張が続いた結果→血流障害・低体温・代謝機能低下・顆粒球増加→組織の破壊・内臓機能異常→病気というパターンで発症します。

 

したがって、ストレスのレベルを下げる→副交感神経優位にする→血流改善・体温上昇・代謝の亢進→組織修復→内臓機能の正常化をたどれば、健康回復につながるということです。

 

痛み、発熱、腫れなどの不快な症状は、組織の修復の際に「分泌されるホルモン」によるものなのです。

 

・プロスタグランジンの作用:血管の拡張、発熱、痛みを起こす

 

・「痛みや腫れ」は、辛いが悪化しているわけではなく、組織の修復が行われているサイン

 

・急性期を過ぎたら温める。

 

・痛みがひどい時は、2、3割の軽減を目的に、消炎鎮痛剤を使うようにする。

 

・「熱」は、リンパ球とミトコンドリア系を活性化して治癒力を盛んにしているサイン。

・かゆみは、体内の毒素や抗原を皮膚から排出する時に起こる反応。入浴などで、からだを温め、毒出しを応援するようにすると、楽になる。

・自然治癒力をつきつめると、発熱=代謝の亢進。発熱は代謝の亢進DNA→RNA→タンパク合成に熱は必要。

 

まとめ:全ての病気から治癒に向う時、生命体は、発熱、炎症を起こして闘っている。

 

これをサポートするすると治癒に向い、薬で止めてしまうと、治癒が遅れる。痛みが強い時は、治癒を少し遅れさせるが、痛み軽減を選択する場合もある)

 

✷鍼治療における、自律神経と白血球の変化

 

鍼治療には本治法と表治法があります。

 

自律神経の交感神経と副交感神経を用いて、鍼治療を説明すると、本治法では、浅い鍼を数本打つことで、副交感神経を優位にさせます。

 

表治法は、主に、表面に出ている症状(痛み、コリ、むくみ等)に対して、鍼を打ちます。(本治法よりも、深く鍼をします(状態によって、方法、深さは変わります)。治療により、交感神経が刺激されたことを表しています。

 

安保医師による鍼治療後の白血球の変化の測定では、標治法のみの治療では、顆粒球の増加、リンパ球の減少が見られました。

 

つまり、交感神経優位に誘導されたことになります。

 

また、本治法を加えたグループでは、リンパ球が増え、顆粒球の減少が見られました。副交感神経優位に誘導されたことになります。

 

症状、身体の状態により刺激法、刺激量の調整を行います。(方法は流派等によって違いがあります)

 

結果、自律神経が整うように、身体を導いていきます。

 

自律神経の調整に対する治療は、一回の治療で劇的に回復するといったものではありません。継続的な治療が必要になります。

 

また、治療の刺激、例えば、治療へ副交感神経を優位になるように行っても、普段の生活習慣が、交感神経優位になることが多い状態(ストレスが多い、働きすぎ、生活習慣等)が、それを上回れば、治療効果は出にくい、または、良い状態を継続していくことは難しいです。

 

ですから、治療と並行して、食事や適度な運動、生活習慣等の見直しも必要です。

 

では、実際に治療と並行して、普段から自分でできる健康のために必要なことをお話していきます。

 

✷さまざまなものに耐えられる体づくり

 

・自然のリズムに合った生活をする

自律神経も日内リズムがあり、これがはっきりしている人は活力がある。食事の時間の乱れ、夜更かし等は自律神経のリズムが乱れる原因となる。

 

・薬を減らす

なるべく、薬の服用は避ける。特に、鎮痛剤の常用をさける。

必要であれば、薬の服用は最低限とする。慢性病で長期薬を服用している場合、医師と相談の上、確認、見直し等行う。

 

・適度な運動をする(運動は不可欠)

身体と自然の法則により、筋肉は使わないと、筋力は低下。低体温にもつながる。(筋肉からの発熱の低下、エネルギー代謝の低下=元気がなくなる。

 

・食事で自律神経のバランスを整える

忙しいと食事時間は短くなる。てっとり早く疲れを取ろうと甘いものを好む。手っ取り早く満足感を得るために、肉や、揚げ物を好んでとる。野菜を取るのは面倒になる。(すぐにリラックス状態を得られないから)。したがって、忙しい時こそ、以下の食べ物を積極的にとるようにする。

 

食物繊維が豊富なキノコ類、野菜、海藻、スローフード

消化吸収に時間がかかる=消化管が働く時間が長くなる(副交感神経働く)血糖上昇も遅いが下降も遅い

 

・甘いものの取り過ぎに注意する

砂糖(甘いものを大量に採ることを習慣としていると、糖分を摂取後、1時間位で血糖値は最大となり、次第に下がり、4時間後には低血糖となる。

 

低血糖となると、無気力、脱力、脳の働きの低下→細胞の死滅。

高血糖時は体温は上昇、気分は良い。低血糖時は、体温は下降気分が落ち込む。

 

甘いものを普段からたくさん摂っていると、血糖値を下げようと過剰にインスリンが分泌され、低血糖状態になりやすい。そうなると、頻繁に甘いものを摂取して血糖を維持する必要にせまられます。そこから進むと、さらに低血糖パターンに入り込んでしまう。

 

・注意する食べ物を把握し、注意する。

現在は、以前よりも食品添加物の問題、更には、遺伝子組み換え食品というものまで存在するので、足りない栄養を補うことも大切ですが、なるべく摂らないようにする。または、調理法を工夫(水にさらす、灰汁をとるなど)そして、出来るだけ溜めこまないようにするということも大切です。

 

残留農薬の多い野菜、果物

食品添加物

遺伝子組み換え食品、)肥料として使い作られた食品に関しては表示義務はないそうなので、注意が必要)

ホルモン剤使用の肉類など

 

その他

予防接種

歯磨きのフッ素など

 

参考文献

自分の免疫力で病気を治す本:安保 徹著

薬をやめると病気は治る:安保 徹著

病気は自分で治す:安保 徹著

魔法のメガネ:桜沢 妙一著