自然医学(ナチュロパシー)とは

自然医学(ナチュロパシー)とは、身体が本来持っている自然治癒力を高めることによって、心身の治療を計り、健康を確立、維持することを目的としている医療です。ナチュロパシーの医師は下記の6つの原則に基づいて、食事療法、栄養学、カウンセリング、ホメオパシー、ハーブ療法、運動指導、マッサージ、リラクゼーション等自然の代替療法を駆使し治癒に導きます。世界保健機構 (WHO)も、通常の医学とナチュロパシーの統合を勧めています。

 

6つの原則

 

1. 身体には自然治癒力がある

 

身体には本来、健康を維持したり、病気を治したりする力が備わっている。医師の役目は、この力を自然な食事や害の無い治療法でうまく引き出したり、治癒を阻害しているものを取り除いてやることにある。

 

2. 原因を治療せよ

 

自然医学の医師は、症状を抑さえるよりも、その裏にある病気の原因を見つけようとする。症状自体は病気というよりは、身体が病気を治そうという時の反応であることも多い。だから、症状だけを抑さえようという治療法は正しいものではない。

例えば、風邪の時の発熱はウイルスを殺すために必要な生体反応であるので、あわてて解熱剤を用いることは、結局は治癒を遅らせることになる。

 

3. まず第一に害を与えない事

 

症状は、身体が病気を治すときの反応であるので、原因を治療せずに症状だけを抑さえるような治療法は危険な場合が多い。

自然医学の医師は、まず安全で有効な治療法は何か、ということを考えなければならない。これは古代ギリシャの医聖ヒポクラティスの教えでもある。

 

4. 人間の身体を一つとして考え全体を治療せよ

 

一人一人の人間は、肉体、精神、感情、魂の統合体である。また、人間は遺伝的、自然的、家庭的、社会的、歴史的存在でもある。これらの様々な要素が複雑に関係しあいながら、健康と病の間を揺れ動いているのであるから、治療者はできるだけ多くの視点でものを見て、それらを統合する訓練が必要である。

 

5. 医師は教師となれ

 

医師は正しい診断と治療を行なうだけでなく、患者と健康的で、生き生きとした関係を築く必要がある。患者と医師との協力関係があってこそ、本来の治療効果が出てくるのだ。医師の本来の役目は、患者自らが気づき、健康な習慣へと自己改革できるように、教え導くことにある。

 

6. 予防は最良の治療法である

 

ヘルスケアの最終目標は、予防である。医師は健康な生活習慣保つような教育を通して、疾患の予防を行なわなければならない。

よく、「攻撃は最大の防御である」と言われるが、「健康促進は疾患治療に勝る」と言うのも事実である。