心の健康とヒートショックプロテイン

「HSP」ヒートショックプロテインとはその名の通り、熱などの身体に対するショックにより産生されるタンパク質のことです。今回は、ヒートショックプロテインが心の健康にも関係しているというお話です。

 

HSPについて簡単にまとめると、

 

身体が外部環境の変化(ストレス)にさらされると、身体の細胞の中のタンパク質が損傷を受ける。それが遺伝子に伝わって、修復するタンパク質(HSP)がたくさん作られる。熱がHSPの誘導効果が一番高く、適度なストレス(長期的なストレスはHSPを枯渇させる)、運動、絶食状態などでもHSPは増えることがわかっています。

 

どれをとっても外部環境の変化が内部環境へも変化を起こし、それがストレスとなり、細胞の中のタンパク質を修復するために、HSPがたくさん作られるというわけです。

 

そこで、今回はHSPと心身症の関係のお話です。

 

過敏性腸症候群などの心身症に対して絶食療法を行うというのをご存じですか?治療を受けられた方の感想が乗っていましたが、「何故効果が有るのかは、まだ良く解明されていないようです。担当医は無意識のうちに気付き(悟り?)が起き、治癒するとの事でした。」お医者さんも科学的ではない回答をするんだ~と感心しました。

 

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http://questionbox.jp.msn.com/qa3942966.html 

 

IBS(過敏性腸症候群)や脳と腸の関係を研究されている、医学博士の福士 審氏は著書「内臓感覚~脳と腸の不思議な関係~」の中で、絶食療法とその仕組みについても述べておられます。

 

簡単にまとめると、

 

・絶食状態になると、筋肉と皮下・内臓脂肪に蓄えられているタンパク質と脂肪が、身体の中で消費される。

・肝臓に蓄えられたグリコーゲンは、絶食20時間以内に消費されてしまう。すると、血糖値を維持するために、アミノ酸(タンパク質の一種)から血糖を合成する糖新生が活発になる。

・一番糖を必要とする脳は、普段食事を摂っている時は、グルゴースのみを消費しているが、絶食状態で、グリコーゲンを消費しつくすと、脂肪を消費し始める(脂肪の代謝産物のケトン体を利用する)。」

 

つまり、絶食状態にすることで、体のエネルギー消費システムが変化するということです。

 

この脳内代謝の変化により、脳内の神経伝達物質の変化が起きると考えられているようです。絶食療法中の患者の脳波を調べたところ、アルファ波(精神の集中と安定を示す)が増え、ベータ波(不安や精神の緊張を示す)が減ることが分かったということです。

 

絶食療法は、専門的な医療機関で医師の管理の下で行う療法なので、勝手に行うのは危険を伴います。ですから、試しに自宅で…という簡単なものではないのが実状です。

 

うつ病などの精神的疾患とHSPの関係はほとんど研究されていないようですが、絶食というストレス状態によりHSPが増加し、細胞が元気になったことも心身症の改善につながったのでは?という仮説がたてられています。

 

身体についてはわかっていないことだらけです。しかし、解明はされていない=科学的根拠は説明できないが、効果がみとめられるということがあるのもまた事実です。

 

HSPは簡単に増やすことができます。(詳しくは、ヒートショックプロテインとは? )

 

心と体の健康維持のために、HSPを増やす習慣、取り入れてみてはいかがですか?